
子供の頃、親に「よく噛んで食べなさい」と、しつけられた記憶はありませんか?食事をよく噛んで食べることは、食べ物を消化しやすくさせるだけではありません。実は、口臭の予防にもつながっています。よく噛むという行為は、唾液(つば)の分泌を活発にしますが、このことが、口臭の大きな原因といわれているドライマウスを防ぐからです。ドライマウスとは、唾液が足りていない、つまり、口の中が渇いてしまっている状態をいいます。唾液は本来、口の粘膜を保護し、口の中を洗い、雑菌の増殖を防ぐ働きを持っています。臭いの強い食品を食べたことによる口臭や、病気による口臭以外の臭いは、口の中の雑菌が増殖して臭っていると考えられていますので、唾液の足りていないドライマウス状態では、雑菌が簡単に増殖し、その結果、口臭が強くなってしまうというわけです。
よく噛んで、唾液の分泌を活発にすることには、他にもたくさんの健康上のメリットがあります。あごの筋肉が鍛えられるし、脳を活性化させるとも考えられています。唾液には、発ガン性物質を抑える効果があるのではないか、という意見もあります。また、よく噛むということは、ゆっくり時間をかけて食事をすることになるでしょうから、腹八分目でも満腹感が得られ、ダイエットにもなるようです。口の臭いが気になり、渇きも感じるなら、まず、食事の際によく噛むことを心がけてみてはいかがでしょうか。
現代の食事は、昔と比べて柔らかいものが増え、噛む回数が減ったと言われています。よく噛んで食べることで唾液の分泌を促進させるには、意識的に、食物繊維が豊富に含まれている食材を摂るといいでしょう。繊維質の多い食品として、ごぼう、りんご、しいたけ、レタスなどが挙げられます。食物繊維は、便秘によく効く成分として知られていますが、歯にこびり付いた食べカスを、押し剥がしてくれる働きもあるそうです。また、梅干しにも、食物繊維が多く含まれています。梅干しは、柔らかいのでよく噛まなくても食べてしまえるのですが、梅に含まれているクエン酸が、そもそも唾液の分泌を促す作用を持っているので、口臭予防を考える時、大変有効的な食品だと言えるでしょう。